被弾コラの作成(1)
この記事の内容はGIMP ver2.8.10準拠となっております。

被弾コラの作り方を説明していく前に、改めてひとつ言っておくことがあります。
それは、スレへの参加に際し被弾コラは決して必須ではないという事です。被弾コラというものはただ単に視覚的に分かりやすいダメージ表現の1つでしかありません。被弾した時用の画像としてならばアニメ等のキャプチャ画像等でも充分に事足ります。被弾コラを作るという事は、あくまでも選択の幅、遊びの幅を広げるための手段の1つでしかないのです。

その事を理解した上で被弾コラの作り方を覚えたいという方は、以下より作成手順について説明をしていきますので参考にして下さい。


■基本操作(1) − レイヤーの移動

まずは元となるミサミサを刺したい画像と、ミサミサの透過素材を用意します。
ミサミサの透過素材を持っていないという方は、wikiや↑のものを保存して使って下さい。

用意が出来たらミサミサを刺したい画像をGIMPで開きます。
もし右クリックメニューへの登録がしてある場合は、エクスプローラの右クリックからメニューを開いて「Edit with GIMP」を選択する事でGIMPを起動しつつ画像ファイルを開く事が出来ます。

既にGIMPを起動させている場合は D&Dして開く のが手軽でしょう。

画像を開いたら、次にそこへミサミサの透過素材を追加します。
この辺りの手順について分からなければ、こちらの記事で説明していますので参照して下さい。


↑図は(1)画像を開く(2)素材をレイヤーとして開く の二つの手順を終えた状態


レイヤーとしてミサミサの透過素材を開いたら、これを刺さっているように見える位置へと持っていきます。この 移動を行うためのツール が読んで字の通り「移動ツール」です。「移動ツール」はツールボックスの中からアイコンを選択して使用します。



では、「移動ツール」を用いてミサミサを移動させてみましょう。
やり方は至って簡単。移動させたい画像(この場合はミサミサ)をドラッグするだけです。
今回の例でいうとミサミサをドラッグして好きな位置へと持っていくだけ。

基本的にはただこれだけの非常に簡単な操作ですが、注意が必要な点も幾つかあります。
まず一つ目として、このツールで移動させる対象は何になるか という点。これについては基本的に「移動ツール」のオプション項目の設定に依ります。


移動ツールのオプション項目

移動ツール」のオプションは「移動対象」と「機能の切り替え」の二つ。
このうち「移動対象」については「レイヤー」に設定したままでいいでしょう。場合によっては「選択範囲」を使うケースはあるでしょうが、 駄コラをする程度の用途であれば基本的に「レイヤー」以外が必要になる場面は少ないです。

「移動対象」で選択出来る種類

レイヤー
レイヤーを対象に取ります。

選択範囲
選択された範囲を対象に取ります。
範囲選択がされていない場合は何も移動させる事が出来ません。

パス
パスを対象に取ります。
パスが作成されていない場合は何も移動させる事が出来ません。

ただ、ショートカットキーを押すなどしてしまい意図せずに設定が切り替わってしまうケースはあるので、ドラッグしても移動出来ないなど動作が変だなと思った時はここを確認してみましょう。


一方、「機能の切り替え」は使い分けが必要になる場面が結構あったりしますので、それぞれの設定について覚えておいた方が良いです。
まず「つかんだレイヤーまたはガイドを移動」ですが、こちらの設定になっている場合、移動させる対象は ドラッグを開始した位置にあるレイヤー となります。
これだけだといまいち解りにくいと思いますので、もう少し具体的に説明しましょう。例えば、以下の図のように2つのレイヤーが並んでいるとします。


この時、図A赤色で示された範囲からドラッグを開始した場合はレイヤー1が、図B青色で示された範囲からドラッグを開始した場合はレイヤー2が、それぞれ移動します。

図A 図B


上記の例ではわかりやすいようレイヤー同士を離して配置しましたが、それではレイヤー同士が重なっている場合はどうでしょうか?
下図のように複数のレイヤーが重なった配置になっている場合は、レイヤーの順序が上にあるものの方が優先 されます。



赤枠で囲った、レイヤーが重なり合っている箇所でドラッグをした場合

上にある方のレイヤーが移動の対象となる(上図の場合はレイヤー2)。
上の例でもしレイヤーの順番が逆であった場合は、同じ操作をしても移動するのはレイヤー1になります。

レイヤーの順番について解らないという人はこちらの説明を参照して下さい。


次に、透過素材などレイヤーの一部が透明になっている場合について。
この場合、透過している部分をドラッグしようとしても そのレイヤーは移動の対象とはなりません。透過部分の下に別のレイヤーがあるならば、そちらが移動の対象となります。


透過している箇所をドラッグしてもレイヤーは移動出来ない。

その下に別のレイヤーがある場合はそれが移動の対象になる。↑の例の場合は背景の画像が対象。

ちなみに、移動する対象が何も無い部分にマウスカーソルがある時はカーソルの右に禁止マークが表示されます。覚えておくと判別に役立つ場面もあるかもしれません。


↑右側にこんな感じのマークが表示されます。


このように視覚的には解り易いであろう「つかんだレイヤーまたはガイドを移動」モードですが、実は少々厄介な面もあります。ひとつは見た目には透明に見えているけれど実際には1ドットのゴミがあるなどの場合です。GIMP側ではそれがゴミなのかどうかなど判別しようがありませんから、たとえゴミでもそこが不透明なドットであれば、そのゴミのあるレイヤーが移動の対象 となります。
もし動かそうとしたレイヤーと違うレイヤーが移動してしまった場合は、上の方の順番にあるレイヤーにゴミドットが紛れている可能性を考慮して下さい。


何故か違うレイヤーが移動してしまうと思ったら

ゴミドットが邪魔になっていた


また、レイヤーの不透明度を1%のような低いけど0ではない値に設定していたり、レイヤーの合成モードを変更しているなどして見た目には分からなくなっている場合も同様です。(レイヤーの不透明度や合成モードについては別の機会に詳しく説明します)レイヤーが表示されている限り、そこに少しでも不透過な箇所があればそのレイヤーが移動の対象になります。


しかしそうなると、上にあるレイヤーが邪魔で動かしたいレイヤーを移動出来ないといったケースも出てきます。

レイヤー2を動かしたいのに、上にあるレイヤー1が邪魔で動かす事が出来ない。


そういった時はどうすればよいでしょうか? 方法としては2つあります。
1つは邪魔になっているレイヤーを一時的に非表示にする事。


レイヤーダイアログにある目のアイコンをクリックすると、レイヤーの表示/非表示を切り替える事が出来る。
この機能を使って上側にある邪魔なレイヤーを非表示にすれば、下のレイヤーを移動させる事が出来る。


そしてもう1つは、「機能の切り替え」の項目を「アクティブなレイヤーを移動」に設定する事。
アクティブなレイヤーとは現在選択されているレイヤーを指します。どのレイヤーが現在選択されているのかはレイヤーダイアログを見れば分かります。


選択されているレイヤーの部分は背景に色が付き、レイヤー名の文字色が反転する。


設定が「アクティブなレイヤーを移動」になっていれば、何処でドラッグをしても移動するのは必ずアクティブなレイヤー です。

上のレイヤーに隠れていて見えなくても、「アクティブなレイヤーを移動」であれば下のレイヤーを移動させる事が出来る。



→次項:被弾コラの作成(2)- 回転

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